アロマにおける冷浸法(アンフルラージュ)

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アロマ

精油を抽出する方法として水蒸気蒸留法圧搾法有機溶剤抽出法がありますが、それ以外にもうひとつの方法があります。
冷浸法(アンフルラージュ)という手法です。
今回はこの冷浸法を解説していきます。

冷浸法とは

冷浸法とは、フランス語で『L’enfleurage à froid』、英語で『Cold enfleurage』と呼ばれる伝統的な製造法のことです。
動物性の脂肪に芳香成分を吸着させて行うやり方で、水蒸気蒸留法では植物に含まれている芳香成分が重たすぎて抽出できない植物(バラやジャスミンなど)に使われています。


冷浸法(アンフルラージュ)の抽出工程

精製された牛脂や豚脂を木枠で囲まれたガラスの板の上に塗り、その上に原料となる植物を敷き詰めて芳香成分を吸着させます。
1〜2日ごとに原料の植物を取り替える作業を繰り返すことで、牛脂や豚脂が飽和状態になって芳香成分ができなくなると『ポマード』と呼ばれる芳香物質を含む固まりができます。
さらにこの固まりとエタノールを混ぜて1日撹拌し、香りをエタノールの方へ移す作業を行います。
最終的にエタノールを蒸発させることで芳香成分のみを取り出すことができ、精油となるのです。
こうして得られた植物の芳香成分のことを、花が原料の場合には『アブソリュート』、樹脂から得たものを『レジノイド』と呼んでいます。
代表的な精油としてジャスミンやローズ、チュベローズがこの冷浸法に当てはまる抽出法です。

また、冷浸法は古代から行われていたものですが、手間とコストがかかりすぎるため次第に使われなくなっていきました。
代わりに、冷浸法を工業的にアレンジした有機溶剤抽出法が一般的になっています。



温浸法(マセラシオン)と油脂吸着法

逆に熱を加えて抽出する方法を温浸法といい、フランス語では『L’enfleurage à chaud』、英語では『Hot enfleurage』と呼んでいます。
これは油脂を液体状にしたものの中に原料を入れて芳香成分を抽出させる方法です。
この手法ではローズやミモザ、ネロリ(ビターオレンジの花)で利用されていました。

また、これら2つの抽出方法のことを、併せて油脂吸着法と呼んでいます。


冷浸法のメリット・デメリット

抽出法によってさまざまなメリットとデメリットが存在します。
冷浸法に関しては下記の通りです。

メリットデメリット
・繊細な原料でも芳香成分が抽出できる
・高い濃度で抽出可能
・油脂が残ってしまう


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